代表挨拶
「⽣き抜く⼒」と「助かり合う未来」をかたちにする 防災のパートナーとして
災害は、突然やってきます。すべてが音を立てて崩れ、日常が一瞬にして失われていく。
2011年3月11日、東日本大震災。あの日、私たちは多くの命が奪われ、社会が脆く崩れていくのを目の当たりにしました。その中で、私たちはある言葉に出会いました。「われわれは誰に支えられて生きてきたのかを自覚化することによって、今度は誰を支えるべきかを、震災体験は問うている筈だ。その内なる声に耳をすませてみよう。」(平成23年6月25日東日本大震災復興構想会議「復興への提言 ~悲惨のなかの希望~」前文より)この言葉は、私たちが掲げるパーパス「生き抜く力を。助かり合う未来を。」その根幹にある想いと重なります。「生き抜く力」とは、自分の命を自分で守り抜く力。けれど、それは “自分さえ助かればいい” という意味ではありません。生き抜ける人が増えることが、支えられる人を守る力にもつながる。私たちは、そう信じています。
そしてもうひとつの言葉、「助かり合う未来」。私たちが目指すのは、助ける人と助けられる人の境界がない社会です。人は誰もが、時に支える側となり、時に支えられる側にもなる。その立場は、状況によって容易に入れ替わります。だからこそ、思いやりと知恵を互いにつなぎ合い、“一人でがんばる” のではなく、“共に助かっていく社会” をつくりたい。それが、私たちの描く「助かり合う未来」です。現実には、災害のたびに、支援が届かず孤立し、見えない困難が取り残されることがあります。それでも、困っている人が「助けて」と言えること。支える人が「一緒に乗り越えよう」と寄り添うこと。その一歩一歩が、未来を育てる種になると、私たちは信じています。
サイエンスクラフトは、仕組みや研修・訓練の提供にとどまらず、人と社会の本質に向き合う防災コンサルタントです。これからも皆様と力を合わせ、サイエンスの知と、手づくりの心を大切にした仕事を通じて、地域の力とつながりを育み、災害に負けない社会の実現を支えてまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役社長 竹本加良子